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美術館 |
カタルーニャ国立美術館(MNAC) ![]() (c) yuca バルセロナ、というかカタルーニャを代表する大美術館です。 ヨーロッパで「美術館」というと、普通は「宗教画や印象派の絵が所狭しとならんでいるところ」であり、普通の日本人ならものの数十分で飽きてしまうのですが、この美術館はちょっと趣が違います。 何と、ここは「絵画」ではなく、カタルーニャ地方の、自然崩壊しかかっている古い教会や修道院の壁画・天井画などの保存を目指し、それらの壁画・天井画をそっくりそのまま持ってきて収蔵している美術館なのです。ゴシック期以前、主にロマネスク期の作品が多く収蔵されているため、どの作品も、まだ素朴な味わいを残しており、館内には非常にストイックな雰囲気が漂っています。 ここは、キリスト教美術に興味がある方は、必見です。 こんな素晴らしいコレクションとコンセプトを持った美術館は、世界中見回しても多分ここしかないでしょう。 その反面、キリスト教の文脈が分からなければ、見ていても完全に理解不能です。普通の日本人なら、確実に数分で飽きます。さらに、壁画や天井画という性質上、作者も当然有名人ではないので、見ても、日本に帰ってから誰にも自慢できません。非常にユニークな美術館ではありますが、それだけに、キリスト教(美術)に詳しい(または興味がある)方以外は、行かなくてもよいかもしれません。見て周っていると、心が洗われて、とてもストイックな気分になれますが、多分それだけです。 行き方は、地下鉄のPl.Espanya(スペイン広場)駅下車後、地上に出て周囲を360度見回してください。一周するまでに見つかります。 なお、この美術館は高台の上にあるため、結構見晴らしがよいです。 ![]() 美術館に入らなくても、景色を見るだけならタダなので、近くに寄ったらぜひ行ってみて下さい。モンジュイックの丘から歩いて降りてきても、この高台に出ます。 ピカソ美術館 バルセロナの美術館の中で、やはり一番人気なのがここです。 ここには、ピカソが「ピカソらしい」絵を書き始める以前の絵画が、たくさん展示されています。ピカソの「ルーツ」を知るにはもってこいの美術館ですが、いわゆる「ピカソ」っぽい絵はあまりありません。ここに展示されているピカソの絵は、「こち亀」でいうと10巻〜20巻あたりで、確かに「こち亀」なんですが、いわゆる世の中で言われる「こち亀」ではないんです。 ピカソがブレイクしたのは、バルセロナを出てパリに住んでいた時ですから、「ピカソ」っぽい絵が見たいなら、パリの「ピカソ美術館」に行った方が賢明です。また、日本の美術館で時々行われる「ピカソ展」なんかもお勧めです。 なお、毎月、第一日曜日は無料になるのですが、その時は日本のラッシュ時の電車並みに超混み合いますので、じっくりピカソの絵が見たいなら避けた方が無難です。 という訳で、本当にピカソの絵に興味がある方だけ、どうぞ。 あと、この美術館がある通り(C/Montcada)は、旧市街の情緒溢れる、とても素敵な通りです。ピカソ美術館に興味がなくても、ぜひこの通りだけでも歩きに来てみてはいかがでしょうか。夏の暑い日でも、石畳がいい具合に体を冷やしてくれて、歩いているだけでとても気持ちいいです。 また、この美術館から、通りを海の方向に進んでいくと、地元向けのいいバルがたくさんあります。お店の名前は書きませんが、1杯100円で飲めるシャンパン屋やバルセロナ一有名なバスク式のバル、フォアグラが美味しいお店など、個性的なバルが盛りだくさんです。勇気と時間があれば、ぜひトライしてみて下さい。
ミロ美術館
ピカソよりダリより、誰よりもバルセロナを愛し、バルセロナに拘り続けたミロの美術館です。 正直言って、ミロの作品は、バルセロナ市内では「ランブラス通りの敷石」「フランサ駅近くの彫像」「バルセロナ空港の外壁」など、市内の至るところで見ることができ、正直言ってありがたみが薄れているのも事実です。 とはいえ、ミロの作品をこれだけまとめて見ることが出来るのは、全世界でここしかありません。意味不明の超シュールな絵画もあまたありますが、非常に可愛いオブジェもたくさんあるので、芸術に興味がない人にもお勧めです。
また、建築系の人にとっては、ホセ・リュイス・セルト設計の美術館の建物自体も気になるところでしょう。外観は「白」一色で統一され、モンジュイックの緑に映えた、非常に気品のある建築です。
バルセロナ現代美術館(MACBA) 「現代建築」の項でも取り上げたように、リチャード・マイヤー設計の新しい美術館です。このデザイン自体は目を見張るものがありますが、再開発地域の中に建てられたため、周りの地味な風景から力いっぱい浮いているのがちょっぴり残念なところです。 中は、非常にゆったりとした間取りで、とても開放感があります。白色で統一されていることから、見た目にも清涼感があり、夏などは外に出たくなくなります。ただ、常設展示されている作品は、若干インパクトに欠ける上、広い間取りの中に点在する形で置かれているので、ちょっと閑散とした印象は拭えません。 建物自体は、かなり一貫したコンセプトで作られた美しいものなので、現代建築に興味がある人には強くお勧めできます。一方、普通の旅行者の方は、それほど面白さを感じない美術館だと思います。 場所は、「歩き方」で「旅行者が足を踏み入れるところではない!」と断言されているバリオ・チノという地区にあります。「チノ」(中国人)というからといって、中国人が多いわけではありませんが、確かにアジア系移民やアラブ系移民など、所得の低い人々が多く住むところです。あまり雰囲気がいいところとはいえませんので、ここに行ったらさっさと市街地に戻ってしまいましょう。 <2003年7月追記> このMACBAの場所が分かりにくい!という質問が多いので、簡単な案内図とガイドを作ってみました。 基本的には、大学前の広場(Pl.Universitat)から行くのが、最も分かりやすくてよいでしょう。 広場に着いたら、バルセロナ大学を背中に向けて、右斜め前に伸びている大通り(Sant Antoni通り)をまっすぐ歩いていきます。すると、すぐに、左手に「BOCATA」というサンドイッチのファーストフードが見えてきます。そのすぐ横の角(広場から見て最初の左折角)を左に曲がります。すると、目の前に「GOYA」という大きな看板がかかった小劇場がありますので、その右側の筋(Joaquin Costa通り)をまっすぐ歩いていきます。そうしてしばらく路地の中を歩いていると、左手に、巨大な白い建物が出現します。それがMACBAです。 帰りは、Joaquin Costa通りをまっすぐ歩いて、突き当たりを左に曲がってCalme通りに入り、ランブラスに出ることもできます。この2つの道は、比較的大きな通りなので、安全度は高いですが、それでも気を抜かないようしましょう。 一方、上のルートとは逆に、ランブラスからCalme通りに入り、Joaquin Costa通りで左折してMACBAに行くこともできるのですが、初めて行く場合は、Calme通りからJoaquin Costa通りに入る角が分からない可能性が高いので、初めてなら大学広場から行かれることをお勧めします。 |
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