太陽に祝福された島、マジョルカ島。 中心地パルマ・デ・マジョルカは、リゾートの顔を持つだけにとどまらない、中世の街並と現代的なショッピング街を合わせ持った、魅力あふれる街です。 バルセロナ、モンセラット、フィゲラス、ジローナと、観光に疲れた私を出迎えてくれたのは、中世にタイムスリップしたかのようなお屋敷ホテルと、まぶしい程の太陽と風、そして歩いても歩いても飽きない風格ある街並、素敵で素朴なお店の数々でした。 観光らしきものはほとんどせず、ホテルライフと街のそぞろ歩きだけに過ぎていった贅沢な3日間の休暇は、旅の疲れを癒してくれただけでなく、さまざまな街の表情に魅了された日々でもありました。 気の向くまま、歩き巡って出会った素敵なもの達や美味しいレストランなどなど〜私にとっての掘り出し物、ご紹介させて頂きたいと思います。 Hotel Dalt Murada C/Almudaina,6 07001 Palma de Mallorca http://www.daltmurada.com/ (ホテルの写真をもっと見る) 15世紀に建てられたお屋敷を改装した8室だけの隠れ家の様なホテル。 旧市街の中心であるカテドラルの直ぐ裏手に建つと云う、絶好の立地条件にあります。 古い家具や絵、装飾品などに囲まれ、重厚な雰囲気ながら、若いスタッフの的確で親切な応対が、アットホームな居心地の良さを漂わせています。 広いバスルームを含めて居間、寝室の3部屋からなる各室はダブルとスイート、ペントハウス(屋上バルコニー付き)のみで、私はダブルをシングルユースで予約していた所、直前にキャンセルが出て、ダブルのプライスでスイートに3泊させてもらえました! スイートとダブルの違いはただ1点、カテドラルの見える中庭側がスイート、通り側がダブルと云う事の様でした。 私が事前のメールで、「カテドラルの見えるダブル」?とリクエストしたからだったのでしょうか?それにしても親切なホテルです。 目の前にカテドラルの偉容を眺めながら、朝な夕なに聞こえてくる鐘の音はそれだけで癒されるに十分、街歩きに疲れれば、小舟の様なバスタブに浸かってウトウトとまどろむ…。 ゆったり流れる時間に身を委ねた、至福のひとときでした。 朝食は、チーズやハム、エンサイマダ(粉砂糖がたっぷりかかった、バレンシア特産の甘いパン)などを中庭でいただきます。美味しくてハモンセラーノ(生ハム)をお代わりした私でした。 以前はレストランも営業していて評判だったらしいのですが、ホテル運営で手一杯になった為、クローズしたとの事でした。
Catedral 海辺付近に聳えるカテドラルから奥へと広がる旧市街は、路地が入り組む迷路の様な所です。 狭い石畳を歩いているとひんやりとして心地良く、13〜16世紀のお屋敷が連なる街並は、歴史の息吹きが聞こえてくるかの様です。 さて、カテドラルです。ガウディが修復に参加したと云う天蓋飾りを目的に行きました。 祭壇から吊るされたそれは、一目見てスピルバーグのジュラシックパークを思い出してしまうものでした。形状が、恐竜の顎と歯の形の様な骨格だったからです。コロニアグエル教会のステンドガラスの外側の窓枠、あれも獣のあんぐり開けた口蓋を想像してしまった私ですが、あながち的はずれでないかもわかりません。 と云うのもガウディは自然をモチーフに、動物や海洋生物の形状を積極的に取り入れたといいますから。その思いもよらない形や、鉄製の装飾の美しさなど、ガウディの面目躍如と云った所でしょうか?実にすばらしいです! バルセロナで一連のガウディ作品を見て廻ってきた私でも、このユニークさ、奇抜さには度胆を抜かれました。 アルムダイナ宮殿 現在も国王の公邸として機能している王宮で、カテドラルの直ぐ横に聳え建っています。 外見に華々しさはないものの、中は古いタペストリーや絵画がたくさんあって、結構楽しめます。 すぐ西にあるマウラ通り(北へ行くとレイナ広場に着く)は、いわゆる観光客目当ての美味しくなさそうなレストランが並んでいる一帯で、味気ないパエーリャが出てきそうな雰囲気の所です。胸に名札を付けたツアー観光客をチラホラと見ました。 レイナ通りから北へと続く道はホルン通りとなり、現代的なショッピング街が開けています。 Miro美術館 ジョアン・カルロス1世広場からバスで20分程行った高台にあります。 海沿いを走るのでドライブは気持ちいいのですが、バス亭からかなり急な坂を10分登るのがややきついかな〜と思いました。またその割りにはやや期待はずれだった様に思います。バルセロナのそれは見どころの多い収蔵だろうと思いますが、ここは作品が少なく、それぞれの作品の規模は大きいものの、直ぐ見終わってしまいます。 ミロが亡くなる直前まで過ごしていたと云うアトリエも特に何と云う事もなく、レストランを備えた庭(スペインサンドのボカディーリョをつまむ)を含めた建物全体の雰囲気を楽しめばよし〜と云った所でしょうか? 街歩きで見つけたお店 カテドラルから北へ行くと、マヨール広場(旧市街の中心)が、さらに北にはスペイン広場があり、西に向かうとジョアン・カルロス1世広場へと突き当たります。旧市街を含めてこの辺りがパルマ・デ・マジョルカの散策の拠点となります。 マジョルカの特産品としては、エスパドリーユや革サンダル、カゴ ・ブルーやイエローなど、鮮やかな色で、花柄やシンメトリックな模様を描いた陶器 ・花瓶やつぼ、皿、アクセサリーなどのガラス製品〜等があります。こういったたぐいのお店は、概してローカルで素朴な店構えです。もちろん、高級なバッグ(ロエベなど)や宝石(マジョルカ真珠は有名。マナコールと云うイミテーションもあります)等のブティックもありますが、立ち寄っていません。 (お気に入りのお店の地図は、こちら。) ☆ゴルディオーラ Gordiola 【 Victoria通り,6 07001】 ガラス製品の老舗。広い店の中は様々な種類の器でいっぱい! フリルの飾りが付いた水差しや、古代の土器を模倣して人工的に古い装飾を施した花瓶など、日本ではお目に掛れない細工のものばかり。キュートでした! 重たくなるので泣く泣くあきらめたものの、今でも悔しいです。ガラスのペンダントトップはとっても個性的で可愛い〜! ☆ラ・コンセプシオン La Concepcion 【Concepcio通り,17 07012】 私がのぞいた靴屋さんの中でもユニークさ、ダントツ! 老名主の様なおばあさんが50年も営業していると云うだけで、すごいものがありますが、このおばあさん、英語がいっさい通じないのです。 ところが、私の足を見て次から次ぎへと奥から持ってくるサンダルのサイズの適格な事! 紙に書いての値段の交渉も愉快、お洒落な靴屋さんは他にいくらもあったけれど、ここで革サンダルと室内履を買いました。3足で20ユーロちょっとでした。 ☆パタゴニア Patagonia 【Conquistador通り,7 07001】 陽気なアルゼンティーナが経営、良質なスペインの革を使ったハンドメイドのカバンやベルトが並びます。手編みのセーター、精巧な細工がすばらしいキイホルダー3点、ベルトで合わせて120ユーロでした。 ☆カサ・アンビエンテ Casa Ambiente Con Heubel 【 Victoria通り,番地不詳】 ゴルディオーラのすぐ近所にある、家具や額、装飾品などのインテリア雑貨店。 間口は狭いのに、中に入ると大きな空間が広がっていて、素敵なマダムが一人で忙しく立ち働いていました。アンバー(琥珀)のクラシックなペンダントトップが39ユーロでした。 ☆ラ・イグアナ La Iguana 【通り、番地不詳】 ジョアン・カルロス1世広場から東へと広がる一帯は、細い路地が入り組んでいて迷子になりそうな所です。ここは宝石とストールの高級ブティック。 宝石はとても手が出ない高価な品揃えですが、ストールは大判のパシュミナとシルク混合のものが135ユーロとお値打ち。日本では5万くらいします。カードにサインした漢字に、スタッフみんなオーッと驚きの声!回して見合っていました。ひょっとして始めての東洋人だったのかしらん?…と思ってしまいました。 ☆ブエン・グスト10 Buen Gusto10 【Paraires通り、番地不詳】 バッグとアクセサリーの専門店。カジュアルなデニムと綿素材のバッグが装飾によってこんなにかわいく変身!39ユーロと30ユーロでした。 美味しかったお店 ☆ラ・ボベダ La Boveda 【Boteria通り,3 07001】 開店前から並ぶと云う噂通り、私が行った時も地元の人が三々五々集まっていました。 タパスの少し高級番と云った店構えで、注文を聞きに来るおじさんのテキパキした事!もうここらへんから美味しい予感がします〜〜。 注文はハーフワインと3品。 スペインの定番カラマレス・ロマーノ(イカフライ)はふんわりした口当たりで美味。ムール貝の詰め物のフライは、ガイドブックなどでも見た事がないので、ここのオリジナルかも〜。とっても美味しく、日本人の口にも合うし、何よりワインとの相性がピッタリと思いました。 ムール貝の詰め物のフライ 次に鱈のトマト煮込み。これは少々味がくどい感じで、残してしまいました。あっさりした鱈の持ち味が消えてしまってる様に思いました。 鱈のトマト煮込み 二人で来れば少しずつつまんで、種類ももっとオーダー出来るでしょうに…。一人では少々高い27ユーロ。 ☆アサドル・ティエラ・アランダ 21 Asador Tierra Aranda 21 【Monticade通り,番地不詳】 ここは2日間通いました。お店の入口の、昔の呼び鈴の様なかわいい取っ手に魅かれて〜。 2日とも、メニューは同じ。 スペイン料理の定番中の定番、ソパ・デ・アホ(にんにくスープ)とサラダ(魚介とアスパラで日替わり)。 ソパ・デ・アホ サラダ スープは、卵たっぷりで〜、熱々で〜、ちらしたパンはカリカリで〜と、とても美味しく、もうこれだけでお腹一杯になる程の満足感でした! サラダも、しっかり味付けされた海老のオリーブ揚げが豪勢にのっていて、シャキシャキした野菜と食べると、もうこれでメインディッシュ。 ノンガスウォーターを入れて、12ユーロ(アスパラ)と17ユーロ(魚介)でした。 テーブルから見える位置に、立派な鉄製の焼き場があるので、聞くと仔豚の丸焼きを焼くとの事、この店の名物と云っていました。食べたかったけど一人ではね〜〜。1日挟んで2日間も行くと、皆にびっくりされて、とたんにフレンドリーな扱いになりました。 ☆カン・フォアン・デ・サイゴ C'an Foan de S'aigo 【C'an Sanc通り,10 07001】 マジョルカ広場から南に下った、路地が入り組んだ所に突如現れるレトロなカフェ。 街で最も古いアイスクリーム屋さんと云われる風格そのままに、デコラティブでモダンな店構えは昔のまま。テーブルに座ると、まるで時代が遡ってしまったかの様な錯覚に捕われます。 元祖と云われるアーモンドアイス(マジョルカ産のアーモンドミルク100%)を注文。濃厚でまったりとしていて、自然な心地よい甘さはちょっと表現し難い程の美味しさでしたね!!!こんなアイスクリーム、ちょっとどこにもないと思います。何がどう違って、こんな美味しさになるのか…本当に感激してしまいました。 今でも、マジョルカのアイスが食べたくて、懐かしく思い出す私です。 アーモンドアイス Sant Miquel通り マヨール広場から空港行きのバスが発着するスペイン広場へと続くのが、この通りです。 マヨール広場は、バルセロナにおけるカタルーニャ広場の様なもので、大道芸人がパフォーマンスを繰り広げているにぎやかな所です。 ここから西のジョアン・カルロス1世広場へと続く通りにも、素敵な陶器のお店があります。 鮮やかな色使いの素朴で可愛い紅茶カップが、10ユーロ位からあります。 さて、セントミカエル通りです。 ここも歩いていてなかなか楽しいです。地元の人が行く教会があったり、ギターやコーラスの音楽パフォーマンスがあったりで、とてもローカルな雰囲気です。ファーストフード店で、イカ(輪切りじゃない)のオリーブ揚げを食べたり、ドーナツをつまんだりしました。 ドーナツ屋さん その他いろいろ ☆バルセロナからのアクセス Air Europaを利用。ビジネスクラスが123ユーロでした。 ネットでの検索が遅かった為、高いチケットしか残っていなくて、出発ギリギリまで待って粘った所、ビジネスが2週間前に突然値下がり。エコノミーは終止高いままでした。 後で分かったのですが、私がバルセロナに戻る日がスペインの祝日にあたっていたらしく、還りの飛行機も、往きと大違いに満席という有り様でした。エコノミーは早くから旅行会社が買い占めていたのかもわかりませんね。 安い航空券を手に入れる為には、早い時期からこまめに検索した方がいいと云う事の様です。 ☆マジョルカ国際空港 ヨーロッパの各都市から直接乗り入れ出来るとあって、規模はバルセロナのそれに負けません。光り溢れる明るい空港で、綺麗さではこちらの方が上、バカンス気分も高まります! パルマ行きのバス乗り場も直ぐ分かります。 ☆タクシーでの失敗 ガイドブックにはパルマ市街までタクシーで20分とあるので、ホテルまでの道が分からないまま荷物を持ってウロウロするのも〜と思って、バス亭から離れかけた途端、それを待っていたかの様に、タクシーが手を振りながら接近してきました。 ドライバーが女性だったので、思わず乗ってしまった所、何とメーターなし!! えっー、白タクにひっかかってしまったんだ?と青ざめましたが、気持を落ち着けてドライバーを観察したところ、相手は意外にも有閑マダム風の素敵なおばさまでした。 車も、屋根にタクシーと看板を付けてる以外は、普段乗っているマイカーそのもので、小遣い稼ぎのアルバイト風に思えて少し安心。 マダムドライバーはホテルを知らなかったのですが、住所を見ながら探してくれて、直ぐ近くで降ろしてくれました。20ユーロでした。15ユーロが目安とガイドブックに載ってありましたから、少し高かった…。 帰りは、空港往きのバスターミナルがあるスペイン広場までバスで出て、往きの失敗を取り戻そうと意気込んでいたのに、マジョルカには珍しく土砂降りの雨〜で、結局タクシーで行くはめになりました。
☆治安とマジョルカの人々 バルセロナでは、夜の地下鉄や人込みの中など、用心に用心の上、身構える事も多かったのですが、ここではそういう緊張感は全くありませんでした。 人々も概して親切です。 ただ、英語が時として通じません。レストランで隣のテーブルにいたアメリカ人らしき観光客が、支払いの時、「カードOK?」と聞いた所、これがなかなか通じませんでした。「アサドル ティエラ アランダ21」での事です。 発音がスペイン訛りになると云うか…パスポートも「ベルポルト」みたいに聞こえます。 ☆地中海 以前、トルコの地中海沿いのリゾート都市、アンタルヤを訪れた事がありました。現地で地中海クルーズに申し込んで参加、1日船遊びを楽しみました。様々な色に刻々と変化する紺青色の海は本当に美しく、海岸沿いに拡がる中世の城塞と、地中海の豪快さを満喫したものです。 マジョルカにもきっと同じ地中海の青が拡がっていて、クルーズツアーもあるのでしょう。次回のお楽しみに〜。 ガウディイヤーの2002年にカタルーニャを2週間で廻った日々……バルセロナでは暑い中、連日の行列にもめげず、ガウディ建築を見て見て〜見て廻りました。 そうして、疲れて訪れたマジョルカは、のんびりゆったり過ごすに相応しい、爽やかな風が吹く、陽光に彩られた石畳の街…私にとって、旅の最後を締めくくる、忘れ難い場所となりました。 いつかまた、訪れるが事が出来たら、パルデモサやトラック洞窟にも行きたい〜〜 ソリエルやインカにも、地中海クルーズにも〜〜でもでも…ウーン、やっぱりのんびり街歩きに興じているかも……そんな思いにさせる、美味しいものや素敵なものにたくさん出会えた、楽しい日々でした! 読んで頂いた方々が、マジョルカに行ってみたい〜と思われたなら、とっても嬉しいです。 訪れる人それぞれに、それぞれのマジョルカが待っている事と思います。 素敵なマジョルカでの休暇を過ごされます様、願っています! | |||||||||
2003年6月 記 |
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