第1章〜データから見る「バルセロナの治安」


まずは、「スペイン」に関してみてみましょう。

日本の外務省が運営している「海外安全ホームページ」よると、2003年度にヨーロッパの日本大使館が取り扱った、日本人の犯罪・事故被害の届出件数は以下のようになっています。

順位 名称 所在地 件数
1位 在ロンドン日本国大使館 ロンドン 804件
2位 在フランス日本国総領事館 パリ 733件
3位 在ミラノ日本国総領事館 ミラノ 377件
4位 在イタリア日本国大使館 ローマ 343件
5位 在スペイン日本国大使館 マドリー 197件
6位 在バルセロナ日本国総領事館 バルセロナ 175件
7位 在オランダ日本国大使館 アムステルダム 160件
(海外安全援護統計>2003年(平成15年)版:事件・事故等援護件数の特徴と推移)より抜粋

となっています。

これを、各国別にエディットし直してみると・・・

順位 国名 件数
1位 イギリス 804件
2位 フランス 733件
3位 イタリア 720件
4位 スペイン 372件
5位 オランダ 160件

あれ・・・?

スペインって、圧倒的に4位じゃないですか・・・。

しかも、メダルには全く届きそうにありません。

まさか、スペインだけ、泣き寝入りする犯罪の被害者が多い訳は無いので、届け出をしない人々の数を含めても、犯罪被害件数の順位は、およそこの通りになるだろうと思われます。

※もちろん、賢明な皆さんならお気付きでしょうが、日本からスペインへの旅行者数は、イギリスやフランスなどと比べて遥かに少いです。よって、分母が少ない分「被害に遭う割合」は確かに高いかもしれません。しかし、少なくとも「ヨーロッパの中でもスペインはズバ抜けて危険」というステレオタイプなイメージは、根拠の乏しい風説であることは分かると思います。
いくら旅行者数が多いとはいえ、イギリス(特にロンドン)ではスペインの倍以上の犯罪被害があるのです。

ちなみに、2001年度の数字と比べてみると、

順位 国名 2001年度 2003年度
1位 フランス 727件 804件
2位 イギリス 995件 733件
3位 イタリア 672件 720件
4位 スペイン 550件 372件
5位 オランダ 166件 160件

残念ながら、TOP3にどんどん引き離されてしまっています。
恐らく、今後は、もっと差が開いていくことでしょう。

それでは、次に、スペイン国内の状況を見てみましょう。

まず、首都マドリーに「大使館」が置かれています。ここに届けられる犯罪被害は、ほぼ大部分がマドリーのもの、後はセビリャ、グラナダなど、地方都市のものも含まれます。
それに加えて、バルセロナには、「総領事館」が置かれています。ここの届けられる犯罪被害は、ほぼ全てがバルセロナでのものです。

そのような前提で、2003年度の、各館への犯罪被害の件数をまとめてみると、このようになります。

大使館
(マドリー)
総領事館
(バルセロナ)
合計
強盗(首絞め強盗含む) 80 87
置き引き 117 73 109
ひったくり 18 35
スリ 32 49
その他
(車上荒らし、偽警官等)
54 75
合計 197 184 355
(在スペイン大使館>治安情報、在バルセロナ総領事館>邦人犯罪被害状況より抜粋)

という訳で、件数自体は、マドリーとバルセロナで、ほぼ同等であると考えられます。しかし、ご覧になって分かるとおり、両都市の間には決定的な差があります。

それは、

マドリー:首絞め強盗を含む、強盗の被害が多い。

バルセロナ:置き引き、スリ、車上荒らしなどが多い。

という点です。
マドリーのことはさておき、バルセロナに関しては、置き引き、スリなど、「注意していればほぼ100%防げる犯罪」の割合が高いのが、よくお分かりになるかと思います。(その注意事項については、次ページに詳しく記載しています。)
実際、このサイトを読まれた方や、ツアー旅行者の方は、ほとんど何の被害も遭わず帰って来られているので、これが「危ない」状態だとは、とても思えません。

最後に、「バルセロナ=安全」という結論に、ダメ押しをしておきましょう。

このサイトには、「情報投稿フォーム」というのがあり、バルセロナに行ってこられた方々に、バルセロナについての生の感想を送って頂いています。そして、その中で「バルセロナを危ないと思いましたか?」という質問をしています。
このアンケート結果の2004年度分を、一覧表にまとめてみました。

質問事項 1〜3月 5〜6月 7〜8月 9〜10月 合計 比率
全く危ないと思わなかった 27 26%
ほとんど危ないと思わなかった 20 13 18 59 56%
少し危ないと思った 18 17%
危ないと思った 0%
※全サンプル数:105・・・実際に見せて欲しいという武士さんには、全てまとめてメールでお送りします。
※比率は、小数点第1位以下を四捨五入しています。


「少しだけ危ない」と思った人は、105人中18人、積極的に「危ない」と思った人は、たった1人です。
一方、危ないと思わなかった人は、105人中86人(82%)。多分、東京や大阪の繁華街に行った外国人に聞いても、これくらいの数字になるような気がします。

ということで、ここからも、バルセロナが安全であることが追認できます。



・・・もうこの辺でOKですか?

シトラスには、どこをどう見てもそんなに危険とは思えないのですが。

「バルセロナ=危険」「バルセロナ=首絞め強盗」とかいう、まるで「日本=禅」みたいなイメージを持ってる方は、いい加減捨てた方がいいかと思います。

といっても、世の中には、まだまだ新しい知識の無い、かつての常識だけで物を語る武士さんがたくさんいますので、そういう人を見かけたら、ポンと肩を叩き、「時代は変わったよ。」と優しく声を掛けてあげましょう。


※注意1:マドリーについて

マドリーのことはあまり触れませんが、マドリーも、もう相当に安全になってます。数年前には、少し強盗が多かったのですが、2003年くらいから大幅に警察官が増員され始めたため、状況は劇的に改善してきています。

現に、マドリーの日本人宿「アルボル・デル・ハポン」のオーナーに話を伺ったところ、

「2003年から現在まで、うちの宿泊者の犯罪被害は、一切ゼロ!」

ということでした。
付け加えて、「こんなことは、安全だった90年代前半でもなかった。こんなのありえないよ!考えられない。」と何度も言っていました。ということで、マドリーに行く用事があっても、気にせず向かわれればいいかと思います。

ちなみに、この宿「アルボル・デル・ハポン」に泊まると、オーナーが直々に「治安」「自衛対策」「行動範囲」などについて細かくレクチャーしてくれるので、宿泊者の被害が無いのは、このせいもあると思います。
マドリーに行く方がおられれば、この「アルボル・デル・ハポン」に泊まってみるのもいいかもしれません。シトラスは、自信を持ってお勧めします。
「アルボル・デル・ハポン」の紹介ページへ


※注意2:その他の地域について

かつて、マドリーやバルセロナで首絞め強盗を働いていた人々は、どうしてるかというと・・・どうやら、他の観光都市に移動していっているようです。具体的には、セビリャグラナダなど、被害が出始めているということです。(外務省:「海外安全ホームページ」より)

今後、観光客の多いアンダルシアの町へ行かれる皆さん、安全には十分な注意を払うようにして下さいね。


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